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多言語学習が認知症予防に効果的な5つの理由

2025-07-14 14:41:07
2025-07-15 11:20:25
目次

日本は超高齢社会を迎え、認知症は多くの人々が直面する大きな課題となっています。

私の親も後期高齢者に着々と近づきつつあり、最近ちょっと部屋が散らかっている、などぱっとみ問題ないような些細な出来事のように見えて実は水面下で認知症が進んでいた...ということもあるようです。認知症の進行は40代から始まっている...などといわれることもあり、アラフォーの私も、出産後から特に脳の衰えを感じていて、記憶力の低下、物忘れ、言葉が出てこない...と私の脳みそ大丈夫だろうか。と心配になります。

予防するために何かできないだろうか...。と探してみると、言語学習、特に多言語教育が脳の健康を保つ上で非常に有効であるという科学的な知見が増えてきています。

生活習慣の改善や適度な運動も認知症予防に良いらしいことはわかってはいるものの、歳を重ねて変化への適応力が落ちている中、生活習慣を変えたり運動する習慣を築くのはなかなか大変です。でも言語学習なら...!優れたコンテンツが次々と誕生する令和なら、他国のコンテンツを視聴して楽しむことができることをモチベーションに続けることができそう...!

ここでは、多言語教育が認知症予防に効果的な5つの理由を、脳科学的な視点から解説します。

1. 脳の「認知予備力」を高める

認知予備力とは、加齢や病気によって脳にダメージが生じても、その影響を受けにくいように脳が持つ能力のことです。これは、脳の神経ネットワークがより複雑で密な状態にあることで高まると考えられています。

多言語を習得するプロセスは、単語や文法を覚えるだけでなく、異なる言語システムを切り替え、状況に応じて使い分けるという高度な脳の活動を伴います。この訓練は、脳のさまざまな領域を活性化させ、新たな神経経路を構築・強化します。

その結果、脳全体がより効率的で強靭な構造となり、加齢による機能低下や病理的な変化が生じても、その症状が表面化するのを遅らせる「緩衝材」のような役割を果たします。

2. 注意力と実行機能を向上させる

多言語を操ることで、無意識のうちに言語を切り替える脳の「スイッチング」能力が鍛えられます。

例えば、日本語と英語を話す場面では、相手や状況に応じて適切な言語を選択し、脳内で不要な言語を抑制する必要があります。この一連の作業は、集中力、計画性、柔軟な思考といった、脳の実行機能をつかさどる前頭前野を働かせます。

認知症、特にアルツハイマー型認知症では、初期から実行機能の低下が見られることが多いため、この能力を維持することは予防に役立ちます。言語学習を通じて注意を特定のタスクに集中させ、必要に応じて思考を切り替える訓練を継続することは、脳の実行機能を常に高いレベルに保ち、認知症の進行を遅らせる上で極めて効果的です。

3. 海馬の機能を活性化させる

海馬は、新しい記憶を形成する上で中心的な役割を担う脳の部位です。特に、単語や文法、会話の内容といった新しい情報を学習する際には、海馬が活発に活動します。

多言語学習は、膨大な量の新しい情報を継続的に記憶する作業であり、海馬に継続的な刺激を与え続けます。これはまるで、海馬に「筋力トレーニング」を施しているようなものです。

認知症の典型的な症状の一つは、この海馬の機能低下によって引き起こされる新しい記憶の障害です。言語学習という知的活動を通じて海馬を常に使い続けることは、その神経細胞の健康を保ち、萎縮を防ぐ上で非常に重要です。

日常的に海馬を活性化させることで、認知症の初期症状である記憶障害を予防する効果が期待できます。

4. 脳全体の血流を促進する

言語学習は、脳の特定の部位だけでなく、複数の領域を同時に稼働させます。

例えば、音声を聞く聴覚野、言葉を発する運動野、意味を理解するウェルニッケ野、言語を生成するブローカ野など、脳の広範囲にわたるネットワークが協調して働きます。

このような協調的な神経活動が活発になると、脳に酸素や栄養を供給する血流が促進されます。脳の血流が良好な状態に保たれることは、神経細胞が健康に機能するためにも重要です。

血管性認知症は、脳の血流障害が原因で起こりますが、言語学習による脳全体の血流促進は、このようなタイプの認知症の予防にも貢献します。脳に新鮮な血液を循環させることは、細胞の老化を防ぎます。

5. 社会的交流を促し孤立を防ぐ

認知症予防において、社会的活動への参加は非常に重要な要素です。言語学習は、新しい言語を話す友人を作ったり、異文化に触れたりする機会を増やします。

オンラインの言語交換コミュニティや教室に参加することで、他者とのコミュニケーションが活発になり、孤独感を軽減できます。社会的孤立は、うつ病のリスクを高め、これが認知機能低下の大きな要因となることが指摘されています。

多言語学習を通じて得られる新たなつながりは、精神的な満足感や生きがいをもたらし、脳の健康を多角的にサポートします。

言語は単なるコミュニケーションツールではなく、人々と心を通わせるための鍵であり、この社会的な側面こそが、多言語学習が認知症予防に有効である大きな理由の一つです。

今はインターネットを通じて世界中がつながっていて、ゲームやSNSで異文化圏に住む人とも言葉を介して簡単につながることもできるし、多言語学習をきっかけに活動の幅を少しだけ広げてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

mayatara